脳や免疫とも関係がある「腸」のちょっといい話。
前回まで、「マクロビ」と「薬膳」の話をしてきましたが、今回は「腸(ちょう)」についてのお話をします。
腸は、栄養を吸収する場所というのは知っていると思いますが、近年、それ以外にも次のことがわかってきました。
そして、これらの働きの立役者が
「腸内細菌」
であるということがわかってきました。
腸内細菌とは
文字通り、腸にいる細菌ですが、一番有名なのは ビフィズス菌 ではないでしょうか。
また、ヤクルトで有名な シロタ株 や、メグミルク(『恵』)の ガセリ菌 といった 乳酸菌 も腸内細菌です。
乳酸菌とビフィズス菌の大きな違いは、乳酸菌は主に小腸で働き、ビフィズス菌は主に大腸で働く ところです。
なので、両方とることで高い整腸作用が期待できます。
恵ヨーグルトは、ガセリ菌とビフィズス菌が最初から両方入っていますが、ヤクルトの場合は、ヤクルト(乳酸菌)+ミルミル(ビフィズス菌)を一緒に取るといいと言われています。
ちなみに自分は、砂糖が入っているのが苦手なのと、コストの面から、恵ヨーグルト派です。
腸内細菌は、小腸と大腸のどちらで効く菌なのか を意識すると世界が広がりますね。
マクロビと腸内細菌の関係
ここで、マクロビと腸内細菌の関係を考えてみたいと思います。
以前、マクロビは菜食が基本で、玄米が良いと紹介しましたが、まさにこの 野菜や玄米の食物繊維が腸内細菌の喜ぶ食事(エサ) になります。
なので、マクロビ生活はそのまま「腸活」につながります。
薬膳と腸内細菌の関係
薬膳には、気持ちが落ちている状態を「気虚」と言いますが、これは 腸内のセロトニンやドーパミンの量が減っている状態 ではないかと考えられます。
不思議なことに、脳内物質であるセロトニンやドーパミンのほとんどが腸にあり、腸のセロトニンの量が増えたり減ったりすると、連動して脳のセロトニンの量も増えたり減ったりする そうです。
日本人に近年増加している「うつ病」、つまり慢性的な気虚状態は、腸内環境と関係がある のかもしれません。
また、血が足りない「血虚」の状態についても、血を作るために必要な、ビタミンや葉酸は腸内細菌が作っている ため、腸内細菌と造血にも関係がある と言えます。
「マクロビ」にしても「薬膳」にしても、食事の健康法とは、結局のところ、腸にいい健康法、つまり、腸内細菌に良い健康法 なのかもしれませんね。
アレルギーと腸内細菌の関係
人間の構造は「ちくわ」と同じで、口から肛門まで空洞になっています。
なので、体の表面で起きていることは、ぐるっと回って、体の内部、つまり腸内環境とも関係がある言われています。
また、花粉症やアトピーなどのアレルギーは、免疫が低下して起きるのではなく、むしろ 免疫が過剰に反応してしまって起きる症状 です。
そのことから、免疫細胞をコントロールしているのが腸内細菌 なので、腸内環境を整えることでアレルギーにも効果がある と言われています。
腸内には、多種多様な細菌が生息しており、特に小腸から大腸にかけて、まるで植物が群生している「お花畑」のようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれています。
お腹にお花畑って、なんてロマンチックなネーミング!だと思いますが、腸を大切にすることは、超大事(笑)ということで、今回の食事のお話を終わらせていただきたいと思います。
次回は、「呼吸」についてお話しようと思います。