自分がわかれば自由になれる「フェルデンクライス」の話。
前回は「姿勢」の話としてアレクサンダー・テクニークを紹介しました。
今回はその弟分とでもいうべき フェルデンクライス をご紹介します。
フェルデンクライスとは?
フェルデンクライスとは、ユダヤ人の物理学者であるフェルデンクライス博士が創ったボディメソッドです。
アレクサンダー・テクニークが不要な緊張を排除し、本来の動きを取り戻すメソッドならば、フェルデンクライスは、その 不要な緊張に気づくためのメソッド です。
なので、アレクサンダー・テクニークとフェルデンクライスはセットでやることで相乗効果 が生まれます。
そして、お勧めは 最初にフェルデンクライスから入る と、アレクサンダー・テクニークのコツをつかむのがずっと早くなると思います。
ちなみに、フェルデンクライス博士もアレクサンダーさんの元で指導を受けていて、そこからフェルデンクライスメソッドが生まれたようです。
どんなことをやるの?
フェルデンクライスには、いくつかのエクササイズ(動き)があり、その動きを通して、自分の体を観察し、体の動きや筋肉の緊張 を感じていきます。
この観察のことを「スキャン」と呼ぶのですが、どこを意識してスキャンするのかを、プラクティショナーと呼ばれる指導資格を持ったトレーナーが、「質問」という形で導いてくれます。
例えば、ただ立っている姿勢でも、
「足の裏のどこが地面についてますか?」
「左右の脚にはどのように体重がかかっていますか?」
など、気づきのヒントになる質問をどんどん投げかけてくれます。
それをやることで、体に対する解像度 がどんどん上がってきて、自分の体の動きや力のテンション(緊張)に対して敏感 になってきます。
また、体の動きに敏感になっていくことで、自分の心の動きに対しても敏感 になってきます。
公園などですぐにできるので、ぜひ一度試して欲しいのが、コンクリートの地面を歩いている時と、土の上を歩いている時の心の緊張具合を観察してみてください。
特に、コンクリから土に変わった瞬間の心の変化 を感じてみてください。
日頃、コンクリートの上ばかり歩いている都会人が、それだけで無意識にストレスを受けているのがわかると思います(笑)
以上が簡単なフェルデンクライスの説明になります。
フェルデンクライス関連の本もいくつか出ていますが、やはり、なかなか言葉で理解するには限界があり、実際にレッスンを受けてみること をお勧めします。
それが フェルデンクライスを理解する一番の方法 だからです。
最後に、今回は本ではなく フェルデンクライス博士の言葉 を紹介させてもらおうと思います。
「自分がやっていることがわかれば、自分がやりたいことができる」(モーシェ・フェルデンクライス)(1904〜1984)
全く同じことを自分の整体の先生からも言われたことがあり、その先生は、
「自分らしく生きようと思っているなら、自分を知ることは義務だよ」
とおっしゃっていました。
どちらも、自分を発見していく過程で、自分を無意識に固めている行為や習慣に気づき、そうすることで、そこから「自由」になれると言っているのだと思います。
ぜひ、機会があればフェルデンクライスをやってみてください。
以上で、2回にわたる「姿勢」の話を終わりにします。
次回はいよいよ、健康についての最後の要素「心の状態」についてお話しします。