「自然体が一番強いんだってね」「そだね〜」の話。
前回まで健康に必要な5つの要素について話してきましたが、最後に「バランス」についてお話ししようと思います。
バランスとは?
よく「バランスが大事」「バランスを保ちなさい」とか言われますが、そもそもバランスとは一体、何なのでしょうか?
バランスとは
「あらゆる変化に対応できる状態」
ではないでしょうか。
これを車のギアで例えると、3番に入れていることではなく、いつでも1番から5番にギアを入れることができる状態、
つまり、
「ニュートラルの状態」
になります。
そして、このニュートラルの状態のことを、禅のマスターや武術の達人は、
「自然体」や「心を空にする」
と呼んでいるのだと思います。
なかなか自分の自然体がどんな状態かを知っている人は少ないと思いますし、ある意味、それがわかることを「悟り」というのかもしれません。
きっと、自然体がわからなければ、本当の意味で、心と体のバランスを保つことはできないのかもしれません。
しかし、このブログで紹介した「健康法」でも、奥義はつかめないかもしれませんが、解決できる問題はたくさんある と思っています。
そして、これから先、禅や気功や武術の世界に踏み込んだとしても、これらの「健康法」は 修行の良き土台 になれると思います。
以上で「生きのびるための健康の話」は終わりですが、今回、初めて「健康」について研究してきたことを、まとめて文字にすることができました。
一人でも、役に立つ人がいればいいと始めましたが、考えが整理できた自分が一番役に立ったのかもしれません(笑)
そして、最後まで読んでくださった方、星をくださった方、どうもありがとうございました。
感謝
タワくん
「自然治癒力」がすべてを治す「古えの治療法」の話。
前回まで心と体のいろいろな「健康法」について紹介してきましたが、今回は一歩進んで、「治療」についてお話ししたいと思います。
まずは、「治療」とはそもそも何かを考えてみようと思います。
治療とは?
「自然こそが最良の医者である」
これは、医学の父といわれる古代ギリシャの ヒポクラテス の言葉です。
ヒポクラテスの言うように、人間には本来、「自然治癒力」という自分で自分の病気を治す力が備わっています。
なので、治療とは、
「治癒の妨げになっているものを取り除き、身体の『自然治癒力』を助けること」
となります。
その結果として、身体はそれ自体で健康を取り戻します。
これは医薬品の処方や手術を行う「現代医学」でも同じです。
最古の治療法とは?
結論から言うと、最古の治療法とは「発熱」と「絶食」になります。
体が病気に対して起こす反応に「発熱」があります。
がん細胞は高温に弱いというのを聞いたことがある方も多いと思いますが、基本的に体は、体温を上げることによって免疫力を上げ、病原体と戦います。
なので、「発熱」を極力邪魔しないというのが治療法でもあります。
(ただし、頭のそばにストーブがあっては寝られないように、眠るためにも「頭を冷やす」のは効果的です)
また、全身の細胞に栄養を送り、老廃物を持ちかえる血液ですが、それは同時に、病気を引き起こす病原体や原因物質も細胞に運ぶ ことでもあります。
なので、血液を綺麗に保つことも治療法になります。
血液が汚れる原因は「身体の冷え」と「食べ物」です。
体が冷えることで血液の流れは悪くなり、食べ物によって血液は汚れます。
野生の動物は病気になると、何も食べないでじっとしているのを見たことがある方もいると思いますが、あれはある種の 血液を浄化する断食 とも言えそうです。
また、病気になると食欲がなくなる、回復すると食欲が出てくるというのも、自然治癒力の働きなのかもしれませんね。
「発熱」と「絶食」は、最古の治療法であり、血液を浄化する最上の治療法 でもあります。
自分も、お昼まで何も食べない「プチ断食」をたまにやっていますが、効いていると信じています(笑)
古代の治療法とは?
最古とまではいきませんが(笑)、もう一つ古くから伝えられている治療法を紹介したいと思います。
出典は中国で紀元前に書かれた『韓非子(かんぴし)』(喩老篇)からです。(現代語訳は守屋洋さん)
病気が肌にとどまっていろうちは、薬湯でも治すことができます。
肌の下にある段階なら、針灸で治すことができます。
胃腸にある段階なら、なんとか薬酒で治すことができます。
しかし、骨髄にまで入ってしまいますと、
もはや人間の力ではどうすることもできません。
具体的で大変面白い話ですが、「骨髄まで入ってしまうと」というのは、「血液」のことを指しているようにも受け取れます。
古代の話ではありますが、そこまでいってしまうと「自然治癒力」に頼るしかないのかなと思うと、ますます「最古の治療法」は侮れないように思えてきます。
とりあえず、自分も風邪をひくと、この順番でやっています。
それぞれの段階の治療法で、「薬湯」、「針灸」、「薬酒」というのが出てきますが、比較的手に入りやすく、値段もそこそこ手頃な商品もご紹介しておきます。
「薬湯」
これは、銭湯などの薬草風呂で使われていたりします。
「お灸」
まずはLightから試してみるのがいいと思います。同様の商品の『せんねん灸』よりもコスパがいいです。自分は風邪に効くツボ(風門や大椎など)にやっています。
「薬酒」
薬酒といえばこれでしょう。「大人のかぜシロップ」だと思っています。
最後に、最近映画にもなったインドのヨガマスターである、パラマハンサ・ヨガナンダの言葉を紹介しようと思います。
「もし健康でありたいなら、生まれながらに健康であることを信じるのです」
それはそうだけど、ヨガナンダさん…という感じですが、日頃から健康に気を配っているからこそ、体が早めに治癒力を働かせてくれたり、生薬が効きやすい体になったりする のだと思います。
以上で「治療」の話を終わりにします。
ハワイ発の心の大掃除 「ホ・オポノポノ」の話。
前回の天風哲学では、プラス思考を持つには、潜在意識の改善 が必要であり、それには「言葉による自己暗示」が効果的 であるという話をしました。
それは言い換えると、マイナス思考も同じようにして作られる ということです。
マイナスの言葉を自分に言い続ければ、潜在意識はマイナスの要素で汚染され、マイナス思考に陥ってしまいます。
ということで、今回は、その 潜在意識をクリーニングする方法 についてお話ししようと思います。
潜在意識のクリーニングといえば、もうご存知の方も多いと思いますが、これ!
「ホ・オポノポノ」
です。
ホ・オポノポノとは?
ハワイのカフナと呼ばれるシャーマンによって、古代から伝えられた癒しの技法です。
それを現代では自分でできる 心の浄化法(セルフ・ヒーリング)としてアレンジされ、以下の 4つの言葉を唱える という形式になっています。
- ごめんなさい
- 許してください
- 愛しています
- ありがとう
本当にこれをただ唱えるだけで、あらゆる問題が解決する ということになっています。
まさに魔法の言葉ですね。
「そんなんでうまくいくのかねぇ〜」と思われたあなたは、とても正常な精神の持ち主です(笑)
では、一歩進んで、なぜ効くのかを考えてみたいと思います。
なぜ唱えるだけでうまくいくのか?
まず前提としてオポノポノでは、目の前に現れるトラブルというのは、
「すべて自分に責任がある」
という態度があります。
また、そのトラブルは 過去の自分の記憶が再生されることが原因で起こる と考えます。
この過去の記憶のことを「カルマ」と呼んだりもしますが、潜在意識に溜まったマイナスの要素 と思っていただいて結構です。
また、この過去の記憶は、生まれてからの記憶に加え、生まれる前からの記憶も含む といいます。
そう、カルマというのは転生によって引き継ぐ んですね、怖いです…。
それで、潜在意識をクリーニングする「4つの言葉」を唱える ことで、カルマは消滅し、トラブルもなくなる というのが、そのカラクリになります。
効果的に唱えるには?
ここからは自分の考えなのですが、効果的に唱えるポイントが3つあると思います。
- 「眠る前」に唱える
- イメージと組み合わせて唱える
- 唱える順番がある
まず最初の「眠る前」ですが、天風哲学と同様、やはり 潜在意識への暗示がかかりやすい時間帯 である「眠る前」に唱えるのが効果的だと思います。
もちろん、日中目の前で起きたトラブルの時は、その時でOKです。
次に、「イメージと組み合わせて唱える」ですが、言葉による自己暗示系の全般に言えることですが、言葉(マントラ)はイメージと組み合わせて唱える と効果的です。
オポノポノの場合はクリーニングなので、潜在意識を服に見立て、洗濯板でゴシゴシ汚れが落ちていくのをイメージ したり、PCのデスクトップに見立て、ファイルをゴミ箱に捨てるのをイメージ して唱えるのも良いと思います。
最後の唱える順番ですが、これは ポノラー(笑)の間でも意見が分かれます。
人によって、「ごめんなさい」「許してください」は、新しい罪悪感を植えつけるのでかえって危険 だという人もいます。
自分の考えでは、オポノポノのポリシーでもある「すべてのトラブルの原因は自分にある」を、まず、自分事として受け止めるお作法として、唱えても良いと思います。
これを真剣に「受け入れてしまう」と確かに罪悪感として発展してしまうかもしれませんので、簡単に「受け止めればいい」です。
そして、「愛しています」と和解し、最後に「ありがとう」とお別れをするのが、自然な流れかなと思います。
ポノラーの皆さんどうでしょうか。
オポノポノ自体は、とてもシンプルな方法なので、これ以上の話はなく、あとは実践あるのみですが、たくさん本も出ていて悩むかと思うので、オススメの本を紹介しておきます。
だれもが幸せになるハワイの言葉「ホ・オポノポノ」 (マキノ出版ムック)
- 作者: イハレアカラ・ヒューレン,カマイリ・ラファエロヴィッチ
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二冊目は、あまり一般に流通してなさそうな本ですが、とても良い本です。
トータルヘルスデザインさんからも直販で買うこともできますので、ぜひ機会があれば読んでほしいです。
最後に、アンデスのシャーマンの言葉を紹介して終わります。
「もっとも致命的な黒魔術とは、人が無意識のうちに自分自身に行っているもの」
これは 固定観念や罪悪感が健康に及ぼす影響は大きい ということです。
心の健康法の行き着く先は「潜在意識のクリーニング」なので、皆さんも今夜からぜひ、レッツ・ポノラーで!(笑)
ではでは。
困難に打ち克つ強い心のつくり方 中村天風「心身統一法」の話。
今回は健康の5つの要素の内、最後の「心の状態」についてお話します。
「心の状態」とは何かを簡単に言うと「感情」のことです。
「感情」というものが、健康に影響を及ぼすということは、もう実体験としてわかっている人も多いと思いますが、簡単に説明すると、
「感情」には、
「プラスの感情」と「マイナスの感情」
があります。
「プラスの感情」は体に力を与え、自然治癒力も高め、健康にもつながります が、怒りや恐れ、悲しみなどの「マイナスの感情」は、それとは反対に、体の力を弱め、自然治癒力を減退させ、病気の原因を作ります。
では、もう一歩先に進んで、そもそも「感情」とは一体何なのでしょうか?
感情とは何か?
「感情」とよく似た言葉で「心」というものがありますが、二つは違うものです。
「感情」とは「心」そのものではなく「外部刺激に反応する心の動き」のことです。
「心」と「感情」の関係は、よく「海」と「波」に例えられますが、まさに「感情」とは波 のことで、波とは、ただ海水面が上下運動してできる現象のことです。
なので、ほっとけば勝手に静まるものなのですが、そこに執着すると、いつまで立っても波(感情)はおさまってくれません。
また、感情を、心そのものだと勘違いすると、実態は単なる反応なのに、自己の内部から生じているものだと思い、自己嫌悪に陥ったりします。
プラスの感情になるには?
では次に、プラスの感情になるにはどうすればいいのかですが、プラスの心からプラスの感情が生まれるなら、プラスの心をどのようにしてつくれば良いかがわかればいい わけです。
はい、そして、ようやく今回の本題に入ります。フゥ〜(笑)
今回紹介するのは、プラスの心(強い心)をつくるためにはどうすれば良いかを教えてくれる 中村天風 さんの「心身統一法」になります。
では、最初に天風さんについてご紹介します。
中村天風とは?
中村天風さん(1876〜1968)は、明治生まれの方で、元々軍事探偵として、日露戦争で活躍しました。
その後、当時不治の病であった肺結核を患い、自分の病を治すために、世界中を旅し、その過程で、ヨーガに出会い、肺結核を自力で治し、日本に帰国します。
帰国後は銀行や会社などの事業で成功したのですが、突如感ずるところがあって、社会的地位や財産を処分して、インド体験を基にした講演活動をはじめました。
その講演には、東郷平八郎や山本五十六などの軍人から、政治家や禅僧まで、政財界の錚々たる有力者が聞きにきたといいます。
また、戦後には、天風哲学から人生を学んだといわれる人の中に、松下幸之助や稲盛和夫などの有名企業の経営者や社長がいます。
日本に初めてヨーガを伝え、日本の政財界トップにも影響を与えた スーパーおじいちゃん(笑)であるわけです。
心身統一法とは?
天風さんは、自身が作り上げた心身健康法をまとめて「心身統一法」と名づけました。
また、ヨーガという意味が、元々「心と体を結びつける」という意味なので「心身統一」とは、天風さんによる「ヨーガ」の日本語訳でもあります。
「心身統一法」では 心の働き、心の持ち方を大変重視 しており、心を積極にすることで、健康にもなり、人生の困難にも打ち克ち、夢も実現することができる と言います。
なので、天風さんは「成功哲学の人」として紹介されることも多いです。
強い心をつくるには?
強い心 をつくるには、天風さんは 二つの条件 が必要だと言います。
それは、
- 心はいつでも「プラス思考に保つ」こと
- 心を使うときは必ず「集中する」こと
です。
プラス思考とは、明るく、朗らかで、生き生きとして、勇気があることです。
言うのは簡単で、行うのは難しいのですが、そのための方法として、潜在意識の中味を改善 することだといいます。
元々、生命というのは積極的なもの なので、ひとたび、潜在意識の中味が改善されると、勝手にプラスの要素が湧いてきて、努力しなくても自然にプラス思考が可能 になると言います。
そして、潜在意識の改善には「言葉による自己暗示」が効果的だといいます。
また、一日に一回、暗示が無条件に潜在意識に受け入れられる時間帯が、脳が眠りに入ろうとする「睡眠前」なので、その時になんでもいいから、プラスの暗示の言葉をささやく とより効果的だといいます。
天風さんが創作した暗示の言葉もあり、この言葉は「誦句(しょうく)」と名づけられ、いくつかあるのですが、その中でも自分が一番好きでパワーを感じる誦句をご紹介します。
私は力だ、力の結晶だ。
何ものにも打ち克つ力の結晶だ。
だから、何ものにも負けないのだ。
病にも、運命にも、否あらゆるすべてのものに
打ち克つ力だ。
そうだ! 強いつよい力の結晶だ。
(「力の誦句」)
また、「集中」とは、目の前の対象に注意を向けることだと考えている人が多いですが、実はそれは間違いで、正しくは、目の前の対象を自分の心にひきつけて認識すること だといいます。(前者は「傾注」といい、「集中」とは逆のものになります)
なので、集中している状態では、心は対象にとらわれずに、対象を心の方へと吸引 しています。
以上が、強い心をつくるための条件でしたが、
「心身統一法」には他にも 心を空にする「安定打坐法」と呼ばれる天風式の坐禅法もあります。
心を空にすることで、より高度なプラス思考や集中である「絶対積極」や「三昧」と呼ばれる境地に入るといいます。
これは、ちょっと健康ブログの範疇ではなくなるのですが、天風哲学の一番根底の部分 でもあるので少し紹介します。
天風哲学では、真の自己(真我)とは、心でもなければ肉体でもなく「霊という気体」である といいます。
また、心は、真我が自己表現をおこなう道具 であり、肉体は、その心の働きを表現する道具 に過ぎないといいます。
そして、生命力は肉体ではなく、真我である「霊という気体」に与えれており、心をプラスに働かせることで、肉体に流れ込み、自然に健康が回復するといいます。
それが生命や健康についての正しい認識であり、自分の本来持っている生命力をマイナスの感情で弱めるべきではないというのが天風哲学です。
ぜひ天風さんの本を機会があれば読んでみてほしいと思いますので、読みやすく、最初に読むのにオススメの本を紹介します。
また、呼吸の回で紹介した合気道の達人、藤平光一さんも天風さんの教えに影響を受けており、師匠である植芝盛平さんと天風さんについて書かれた本もとても面白いのでオススメしておきます。
以上で、天風哲学のお話を終わりにしますが、次回は、もう一つ有名な心の健康法についてのお話をします。ではでは。
自分がわかれば自由になれる「フェルデンクライス」の話。
前回は「姿勢」の話としてアレクサンダー・テクニークを紹介しました。
今回はその弟分とでもいうべき フェルデンクライス をご紹介します。
フェルデンクライスとは?
フェルデンクライスとは、ユダヤ人の物理学者であるフェルデンクライス博士が創ったボディメソッドです。
アレクサンダー・テクニークが不要な緊張を排除し、本来の動きを取り戻すメソッドならば、フェルデンクライスは、その 不要な緊張に気づくためのメソッド です。
なので、アレクサンダー・テクニークとフェルデンクライスはセットでやることで相乗効果 が生まれます。
そして、お勧めは 最初にフェルデンクライスから入る と、アレクサンダー・テクニークのコツをつかむのがずっと早くなると思います。
ちなみに、フェルデンクライス博士もアレクサンダーさんの元で指導を受けていて、そこからフェルデンクライスメソッドが生まれたようです。
どんなことをやるの?
フェルデンクライスには、いくつかのエクササイズ(動き)があり、その動きを通して、自分の体を観察し、体の動きや筋肉の緊張 を感じていきます。
この観察のことを「スキャン」と呼ぶのですが、どこを意識してスキャンするのかを、プラクティショナーと呼ばれる指導資格を持ったトレーナーが、「質問」という形で導いてくれます。
例えば、ただ立っている姿勢でも、
「足の裏のどこが地面についてますか?」
「左右の脚にはどのように体重がかかっていますか?」
など、気づきのヒントになる質問をどんどん投げかけてくれます。
それをやることで、体に対する解像度 がどんどん上がってきて、自分の体の動きや力のテンション(緊張)に対して敏感 になってきます。
また、体の動きに敏感になっていくことで、自分の心の動きに対しても敏感 になってきます。
公園などですぐにできるので、ぜひ一度試して欲しいのが、コンクリートの地面を歩いている時と、土の上を歩いている時の心の緊張具合を観察してみてください。
特に、コンクリから土に変わった瞬間の心の変化 を感じてみてください。
日頃、コンクリートの上ばかり歩いている都会人が、それだけで無意識にストレスを受けているのがわかると思います(笑)
以上が簡単なフェルデンクライスの説明になります。
フェルデンクライス関連の本もいくつか出ていますが、やはり、なかなか言葉で理解するには限界があり、実際にレッスンを受けてみること をお勧めします。
それが フェルデンクライスを理解する一番の方法 だからです。
最後に、今回は本ではなく フェルデンクライス博士の言葉 を紹介させてもらおうと思います。
「自分がやっていることがわかれば、自分がやりたいことができる」(モーシェ・フェルデンクライス)(1904〜1984)
全く同じことを自分の整体の先生からも言われたことがあり、その先生は、
「自分らしく生きようと思っているなら、自分を知ることは義務だよ」
とおっしゃっていました。
どちらも、自分を発見していく過程で、自分を無意識に固めている行為や習慣に気づき、そうすることで、そこから「自由」になれると言っているのだと思います。
ぜひ、機会があればフェルデンクライスをやってみてください。
以上で、2回にわたる「姿勢」の話を終わりにします。
次回はいよいよ、健康についての最後の要素「心の状態」についてお話しします。
自分自身の使い方を学ぶ「アレクサンダー・テクニーク」の話。
今回は健康の5つある要素のうち、「姿勢」についてお話します。
日本語の「姿勢」には二つの意味があります。
一つは、見た目や格好 のことで、
もう一つが、物事に対する態度 という意味で使われます。
そのことから、「姿勢」とは、
「態度が見た目に表れたもの」
と言えるのではないでしょうか。
では次に、「姿勢を良くするにはどうすればいいか」ですが、「そもそも良い姿勢がどのような姿勢なのかがわからない(笑)」という人が多いのではないでしょうか。
結論から言うと、体は一人ひとり違うので、良い姿勢は人によって違う ものになります。
しかし、「良い体の使い方はあるよ」というのが今回のお話になります。
具体的な姿勢術として、今回は「アレクサンダー・テクニーク」を紹介します。
日本ではあまり馴染みがなく、なんだか洗脳されそうな名前ですが(笑)、世界的には演奏家やダンサー、俳優にも取り入れられ、大学でも教えられているような有名なボディーワーク(からだの使い方)なのでご安心ください。
アレクサンダー・テクニークとは?
オーストラリア人の舞台俳優であったアレクサンダーさんが、自身の体調不良から体を徹底的に観察し、発見した「からだの使い方」のことです。
良いからだの使い方とは、
「からだの不必要な緊張に気づき、それを取り除くこと」
であるといいます。
そして、からだの自然な動きを妨げなければ、体が活性化され, 本来もっている自分の能力が解放される と考えます。
不必要な緊張とは?
アレクサンダーさんが言うには、頭と脊椎(頚椎の1番)の間、専門用語で言うと、AO関節のテンション(緊張)を取り除くことが大切であるといいます。
そこが固まっていると、からだ本来の能力を引き出せないといいます。
よくパソコン仕事などをしていると、あごが突き出て、頭と首が一つになってガチガチに固まっているような状態になります。それが一番最悪だということです(笑)
なので、意識的に
「頭を上へ向かって持ち上げる」
ことが必要となります。
頭のてっぺんに風船 がついていて、上から引っ張られているようにイメージするといいかもしれません。「ぶら下がる」のではなく「ぶら上がる」みたいな感じです。
そうして、頭の頚椎の間のテンションが緩むと、からだは本来持っている自然の動きを取り戻し、結果として背筋が伸びる というのが、アレクサンダー・テクニークの考えになります。
この頭と首のテンションを緩めることで、発動されるからだの働きのことを「プライマリー・コントロール」といいます。
また、体を動かすときに、動かす部位の 先端 を意識することが大事になると考えます。
これをアレクサンダー・テクニークでは「リーディング・エッジ(導く先端)」といいます。
例えば、先ほどの頭を持ち上げるのあれば、頭頂点の一番先端を意識し持ち上げることであるし、腕を伸ばすのであれば、一番先端である中指の先を意識して伸ばすと一番大きな動きができます。
首の始まりの位置とは?
頭と首のテンションをとるのが大事だというのはわかったけど、その位置がわからないと意味がありませんね(笑)
実は、想像しているよりも上にあります。
首の先端は、「鼻の頭」の位置にあります。
頭をうなずいてみるとわかるのですが、目の位置でうなずくと上すぎで、のど仏の位置では下すぎで、鼻の頭の位置だとちょうどいいのがわかると思います。
まずは、そこに頚椎の1番目があることを知ることが大事です。
そして次に、そこに頭がちょこんと乗っかっていることを意識して、その 接続部分の筋肉を常に緩める ことが大切になります。
肩の力を抜くには?
「肩の力を抜いて」とよく言われたりすると、逆に肩に力が入ってしまうということが多いと思います(笑)
それは、肩の力を抜くのに、肩を意識してしまうからです。
肩に力が入っている時は、まさに、頭と頚椎の間 に力が入っており、そこを 緩めれば、肩の力も自然に抜けます。
体操との違いは?
アレクサンダー・テクニークは、体操やマッサージみたいなものと誤解される方も多いのですが、目的が違うので別物になります。
体操やマッサージは、脱力や柔軟が目的で、自分の体の使い方を教えるものでもありませんし、学ぶものでもない というところが違いになります。
健康にいいの?
姿勢が悪いと、臓器に不要な圧力がかかったり、循環機能も低下します。
からだをまっすぐにしていると、臓器はゆったりし、呼吸がマッサージの役割を果たします。また、病原体が原因ではない、ストレスからくる疾病(耳鳴りや偏頭痛)に対して効果があると言われています。
姿勢を良くすることは、肉体的にも精神的にも 悪いものを寄せ付けない効果が大きい と思います。
ざっと、アレクサンダー・テクニークのお話をしましたが、やはり、なかなか言葉で説明するのは難しいので、上記のポイントを押さえつつ、一度、指導者の元でレッスンを受けるのが良いと思います。
最後にオススメの本を紹介しておきます。
アレクサンダー系の本は、レッスンを受けたことがないと、読んでいてもつまらないことが多いのですが(笑)、この本はイラストも多く、とても親切なので、いきなり読んでも楽しいと思います。
演奏者のための はじめてのアレクサンダー・テクニーク ~からだを使うのが楽になる~
- 作者: 石井ゆりこ
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
- 発売日: 2014/02/22
- メディア: 単行本
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以上で、アレクサンダー・テクニークのお話を終わりにしますが、次回は、その弟分的な、フェルデンクライスについてお話ししようと思います。
フェルデンクライスをやることで、アレクサンダーの理解がグッと深まります。
ではでは。
もうひとつの呼吸法「ハァ〜呼吸」の話。
前回はヨガの呼吸についてお話しました。
今回は、もう一つ別の呼吸法を紹介します。
その呼吸法とは、いわゆる「ハァ〜呼吸」と言われるもので、主に 武術や気功の世界で出てくる呼吸法 です。
どんな呼吸法かというと、
- 体をリラックスする。
- 口を「あいうえお」の「あ」の形にして、「ハァ〜」と息を吐く。
- みぞおちの部分を両手で押さえて、体の上体を少し前に倒す。
- 体じゅうの邪気が外に出て行くのをイメージしながら息を出しきる。
- 鼻から息を吸いながら、上体を元の位置に戻す。
だいたい、どこの「ハァ〜呼吸」もこんな感じだと思います(笑)
この呼吸法は、どちらかというと メンタルの浄化 で使われることが多い気がします。
自分も最初、ヨガの呼吸法から入ったので、口で吐くというのが最初は違和感があったのですが、ヨガの呼吸法とは目的が違うというのを理解したら、「ハァ〜」と邪気を出すのが好きになりました(笑)
ヨガの呼吸は心と体を結びつける呼吸法で、「ハァ〜呼吸」は体の邪気を外に排出する呼吸法 だと思えばいいと思います。
両方の呼吸を知っておくといいと思うので、ぜひ「ハァ〜呼吸」も試してみてください。
「ハァ〜呼吸」自体はそんなに難しくないのですが、写真で解説が出ている本も紹介します。
合気道で最高位の十段を得た達人、藤平光一(とうへいこういち)さんの著書で、ズバリ『氣の呼吸法』という本です。
大変面白いので、ぜひ読んでみてください。
以上で、2回に渡る「呼吸」の話を終わりにします。
次回は「姿勢」についてお話します。